MySQL 8.1 Innovation Releaseと既存のMySQL8.0.xとLong-Term Support(LTS)バージョンについて今わかっていること

技術本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の鬼海(@fat47)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
本記事は、SRG 内にある DBWG(DBワーキンググループ)が全社内向けに提供しているデータベースに関する資料を公開します。
なにかの役に立てば幸いです。
 

概要


2023年7月18日にMySQL8.1MySQL8.0.34がリリースされました。
いままでのMySQL8.0のリリースはマイナーバージョンにもかかわらず機能の追加・削除が頻繁に行われ、バージョンの追従が大変という課題がありました。
 
今回のリリースから機能の追加・削除をともなうInnovation Releaseとバグ修正だけを行うリリースがわけられました。
また、今後Long-Term Support(LTS)のMySQLがリリースされることが案内されました。
 
それぞれの特徴や今わかっていることをまとめてみました。
が、ほぼ下記記事で内容は網羅されているのでそちらを読んでいただいたほうがいいかもしれません。
 
このページでは、特に弊チームが対応することになるであろうEOL・アップグレードまわりの話に重点をおいてまとめようと思います。

それぞれのバージョンまとめ


これからのMySQLはしばらく3つのバージョンが混在することになります。
バージョン備考EOL
MySQL 8.x ( Innovation ) 新機能が追加されるInnovation Release次のMySQL8.yがリリースされるまで(約3ヶ月)
MySQL 8.0.xバグ修正のみ2026年4月
MySQL 8.x(LTS)※未リリース2年ごとにリリースされるLTSリリースから8年間(ExtendedSupport)

MySQL 8.x (Innovation Release)

サポート期間は次のInnovation Releaseがリリースされるまでの約3ヶ月間しかありません。
その都度アップグレード対応が必要となりますが、そのかわり最新の機能や改善を利用することが可能となります。
現在はMySQL 8.1がリリースされており、8.2 → 8.3 → 8.4とバージョン表記があがっていきます。

MySQL 8.0.x

従来のMySQL8.0系のEOLである2026年4月までバグ修正のみのリリースとなります。
現在の日時から約2年以上猶予があります。

MySQL 8.x(LTS)

現時点では未リリースとなり、約1年後のリリースを目標としています。
例えばMySQL8.1 → 8.2 → 8.3 → 8.4と3ヶ月毎にリリースされていくと、MySQL8.4がLTSとしてリリースされます。
 
LTSがリリースされると、Innovation Releaseのメジャーバージョンの番号があがるので、次のInnovation ReleaseはMySQL 9.0.0となります。
Oracle MySQL Blog [MySQLの Innovation と Long-Term Support (LTS) バージョンのご紹介]より引用
Oracle MySQL Blog [MySQLの Innovation と Long-Term Support (LTS) バージョンのご紹介]より引用

アップグレード可否


基本的にいままでのMySQL同様、1世代までのアップグレードは対応できます。
今回から複数のバージョンが混在しているので少しわかりづらいですが、一例をあげると下記のとおりです。

アップグレード可能なパターン

 

アップグレードNGなパターン

 

非同期レプリケーションをつかった切り戻し用のダウングレード

 

終わりに


LTSが出る前にMySQLのバージョンについて振り返ってみました。
MySQL 5.7のEOLは2023年10月となっています。
それまでにどのようにバージョンアップグレードしていくかを考えておきましょう。
 
SRG では一緒に働く仲間を募集しています。 ご興味ありましたらぜひこちらからご連絡ください。
 
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