AWSのパブリックIPv4の料金体系の変更と自分の環境でいくらかかるか試算する方法

技術本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の鬼海(@fat47)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
本記事は、AWSのパブリックIPv4有償化について紹介し、かんたんな料金の算出方法とその他金額を確認できる方法についてのまとめています。
 

パブリックIPv4の料金変更


こちらの記事にある通り、パブリックIPv4の料金体系が2024年2月より変更になります。
 
変更となる費用についての表を引用します。
AWSブログ パブリック IPv4 アドレスの利用に対する新しい料金体系を発表 / Amazon VPC IP Address Manager が Public IP Insights の提供を開始 より引用
AWSブログ パブリック IPv4 アドレスの利用に対する新しい料金体系を発表 / Amazon VPC IP Address Manager が Public IP Insights の提供を開始 より引用
 
いままで条件に当てはまる範囲内では無料で利用していたIPv4が上記の通り、すべてが課金対象となります。
1時間あたり$0.005なので、1IPを30日利用すると$3.6となります。
 
さらに詳しい話や、これらの費用を抑えるための対応策について弊社のデベロッパーズブログで記事が公開されましたので、ぜひご参照ください。
 

自分の環境でいくら料金がかかるのか確認する方法


方法1 : Amazon VPC IP Address Manager (IPAM)のPublic IP Insights機能で確認する

この方法が一番かんたんで確実かと思います。
本日リリースされた追加機能です。もともとAmazon VPC IP Address Managerという機能が2021年頃にリリースされており、
これはVPC内のIPアドレスを管理する有料の機能です。
ですが、今回リリースされたパブリックIPインサイトという機能だけは無料で利用することが可能です。
 
「VPC」→ 「VPC IP アドレスマネージャー」→「パブリックIPv4インサイト」から開くことができます。
料金体系変更以降は、ここに表示されているパブリックIPの数の分だけ課金されるという認識でよさそうです。
EC2についてるEIPだけじゃなく、RDSやELBなどのマネージドサービスについているパブリックIPv4も対象にでてくるので、影響範囲は大きそうですね。
 

方法2: Cost & usage reportsから確認する

2023年7月30日よりCost & Usage ReportsにIPv4の使用量が記録されるようになりました。
「Billing」→「Cost & usage reports」→「使用状況レポート作成」
でサービスVPCを選択するとレポートが出力されます。
ですが、現時点で使用タイプの絞り込みもなさそうなので非常に見づらいです。私はよくわかっていません。

方法3: AWS Cost Explorerで確認する

この方法は実際に料金体系がかわって課金が開始されてから確認できる方法となります。
Cost Explorerの料金区分にIPv4が加わるので、使用量を確認することができるようになります。
 

終わりに


料金体系の変更は約半年後となります。それまでに事前に見積り金額を試算し、どのような方法をとるのか早めに検討をすすめておくのがよいでしょう。
いろいろな制約上まだまだIPv4を完全になくすことは難しいとは思いますが、少しずつ改善を進めていきたいですね。
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