一度使うと戻れない OpenCode の良さ

メディア統括本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の長谷川 拓也(@rarirureluis)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
本記事は、TypeScript 製のAIツール「OpenCode」の検証を通じて、モデルを跨いだ際の処理の柔軟性や、応答速度やレートリミットの課題を解決し、開発者が思考を止めずに生産性を最大化できるメリットを解説するものです。

昨今、AI を活用したコーディング支援ツールは急速に進化を遂げています。
その中でも、「OpenCode」が、エンジニアの間で静かなる熱狂を生んでいます。
OpenCode は単なる CLI ツールにとどまらず、Desktop App や Web UI(opencode web)といった複数のインターフェースを展開しています。

急成長している OpenCode


Google トレンドの内容とはなりますが、2026年から急速に検索数も増えています。
Star も 70k 近く、今勢いがあるツールと言って間違いないかと思います。
今回は、3ヶ月ほど毎日このツールを使った結果、なぜ「一度使うと戻れない」と感じるのか、その理由を深掘りしていきます。

OpenCode が対応しているプロバイダーたち


  • OpenCode Zen(OpenCode が提供している従量課金サービス)
  • OpenCode Black(OpenCode が提供しているサブスクリプションサービス)
  • 302.AI
  • Amazon Bedrock
  • Antigravity(Google)
    • 注意点あり、後ほど解説
  • Anthropic
    • 注意点あり、後ほど解説
  • Azure OpenAI
  • Azure Cognitive Services
  • Baseten
  • Cerebras
  • Cloudflare AI Gateway
  • Cortecs
  • DeepSeek
  • Deep Infra
  • Fireworks AI
  • GitLab Duo
  • GitHub Copilot
  • Google Vertex AI
  • Groq
  • Hugging Face
  • Helicone
  • llama.cpp
  • IO.NET
  • LM Studio
  • Moonshot AI
  • MiniMax
  • Nebius Token Factory
  • Ollama
  • Ollama Cloud
  • OpenAI
  • OpenCode Zen
  • OpenRouter
  • SAP AI Core
  • OVHcloud AI Endpoints
  • Scaleway
  • Together AI
  • Venice AI
  • Vercel AI Gateway
  • xAI
  • Z.AI
  • ZenMux
  • Custom provider
使えないものを探すのが大変ぐらい対応しています。

Agent Skills の標準化にも参画していたりする

GitHub, Gemini, Claude に並び、OpenCode の名が合ったりします。
それぐらい海外ではメジャーになりつつある OpenCode です。

圧倒的な描画速度と応答性


OpenCode を使い始めて最初に驚かされるのは、その「速さ」です。
多くの AI エージェントツールが存在する中で、OpenCode の描画速度と応答速度は群を抜いています。
例えば、同じ Anthropic 社の Opus 4.5 をバックエンドのモデルとして使用した場合でも、公式の Claude Code と比較して OpenCode の方が体感速度が明らかに速いと感じられます。
これは、内部処理が非常に効率化されていることに起因しています。
💡
packages/console/app/src/routes/zen/util/provider/anthropic.ts 内で、Anthropic へのリクエストを変換する際にキャッシュ制御を追加しています。
ターミナル上での TUI(Terminal User Interface)の挙動も非常に軽快で、コードの生成から修正の提案までが流れるように行われます。

Plan Mode


開発フローにおいて重要な「Plan Mode(計画モード)」も搭載されており、Tab キーで切り替えることで、いきなりコードを書くのではなく、まずは実装方針を AI と相談して固めることができます。
 
1/15 のアップデートで、Plan 時のファイルがファイルに書き出されるようになり、そのまま内容を確認して問題なければ自動的に Plan モードから Build モードへ移行し実装を行なってくれるようになりました。
この「思考」と「実装」のプロセスを、ストレスのない速度で回せる点が、開発体験を劇的に向上させています。

タスクによって自動でモデルが切り替わる機能


OpenCode のタスクには下記の2種類があります。
  • General(実装を行うタスク)
  • Explorer(ファイルの探索などの軽量タスク)
OpenCode の良い機能の1つにタスクによって軽量モデルが自動で使う機能があります。
この は、利用しているプロバイダで利用できる軽量なモデルを返す関数です。
例えば、github-copilot のサブスクリプションで OpenCode を利用している場合には Explorer タスクには「gpt-5-mini」が優先して利用されます。
これはレートリミットや速度の面でとても良い機能だと思います。
なお、ここで選択されるモデルはユーザー自身が定義することも可能です。

セッションの共有機能


ctrl+p でコマンド一覧を開き、今のセッションを共有する機能があるため、これを利用することで開発者同士での議論がやりやすくなったり、Agent Skills やメモリ、MCP のデバッグが容易に行えるようになる可能性があります。

自動で使われるサブエージェント


Claude Code にも搭載されるようになりましたが、OpenCode はそれよりも早くコードベースを探索する際に、自動でサブエージェントを利用してファイル探索などを行います。
自動でよしなにサブエージェントを使ってくれるため、メモリなどに記載をしなくても良いわけです。

LSP のネイティブ対応


Claude Code などと違い、OpenCode は LSP がローカルに入っていれば自動でそれらが適用され、自動的に利用されます。
ここで特筆したいのは、モノレポなのに各言語ごとに LSP が利用されているところです。

開発を止めないモデル切り替えと資産


開発に没頭している最中、最も避けたい事態の一つがレートリミット(利用制限)による中断です。
「429 Too Many Requests」というエラーが表示され、思考が強制的に停止させられる経験は、誰しもが持っていることでしょう。
OpenCode は、この問題に対して非常にエレガントな解決策を持っています。
それが、 コマンドによる即座のモデル切り替え機能です。
 
作業の途中でメインで使用しているモデルがレートリミットに達してしまった場合でも、その場でコマンドを叩き、別のモデルやプロバイダに切り替えることで、コンテキストを維持したまま作業を継続できます。
これにより、Agent Skills や Rule はそのままに OpenCode 上で作業の継続が容易に行えます。
OpenCode では、ユーザー自身が OpenAI や Anthropic の API キーを設定して利用することも可能ですが、ツール側で用意されたマネージドな接続オプションとして Zen や Black が利用可能です。
Zen は、OpenCode チームによって検証・厳選されたモデルリストへのアクセスを提供するサービスであり、個別の契約設定の手間を省き、安定した開発環境を提供してくれます。
一方、Black はより高度なニーズに応えるためのサブスクリプションとして位置づけられており、これらを活用することで、ユーザーは API の管理や制限に煩わされることなく、純粋にコーディングという行為に集中することができるのです。
💡
最近コードレビューでは Codex が良いという話を聞きますが、OpenCode であれば CLI を行き来する必要がなく、`/models` で切り替えるだけで済みます。

OpenCode とサードパーティのサブスクリプションについて


端的に言うと
  • Claude サブスクリプションを利用するのは Anthropic の利用規約違反
    • API もしくは GitHub Copilot, Bedrock, Vertex で使う
  • OpenAI のサブスクリプション → オッケー
  • GitHub Copilot のサブスクリプション → オッケー
  • Antigravity のサブスクリプション → 不明
💡
この辺の情報は更新が早いので 2026/01/16 現在の情報になります。

Anthropic

Claude Code のサブスクリプションを OpenCode などのサードパーティーから利用するのは禁止されています。

OpenAI のサブスクリプション

Anthropic とは違い、OpenAI は正式に認められています。

GitHub Copilot のサブスクリプション

こちらも正式に認められています。

Antigravity のサブスクリプション

Gemini API や、Vertex での利用は問題ないと思いますが Antigravity のサブスクリプションでの利用は不明確です。
 

終わりに


OpenCode は、単なる「もう一つの AI CLI ツール」ではありません。
高速な動作、CLI・Desktop・Web を横断できる柔軟なエコシステム、そして開発者のフローを止めないためのモデル管理機能は、一度体験すると他のツールには戻れないほどの快適さを提供してくれます。
現在は OSS として活発に開発が進められていますが、その完成度の高さから、今後は有料の商用ツールに匹敵、あるいは凌駕する存在になる可能性を秘めています。
日々のコーディング業務における生産性を極限まで高めたいと願うエンジニアにとって、OpenCode は今すぐ試すべき価値のあるツールです。
SRG では一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味ありましたらぜひこちらからご連絡ください。