Codex CLI / Gemini CLI をClaude Codeの使用感に寄せる
メディア統括本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の小原(@No_oLimits)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
CyberAgent Group SRE Advent Calendar 2025の20日目の記事になります。
本記事は、Codex CLI・Gemini CLIの使用感を少しでもClaude Codeに近づけるための紹介です。
はじめに
皆さんのお気に入りのAIエージェントはなんでしょうか?私はClaude Code・Codex CLI・Gemini CLIを愛用していて、メインではClaude Codeを使っています。
Claude Codeには5h制限、weekly制限といった利用制限があります。この制限に引っかかった際に他のツールで作業しようかな、と考えたり、Claude Codeで無闇にトークン消費させないために、他のツールに作業させたりします。
こういった状況に直面した時に、Codex CLIやGemini CLIでも可能な限り「同じ体験」が維持できれば最高ですよね?
ツールを跨いでも一貫した開発体験を得るための工夫を紹介しようと思います。
メモリファイルの集約
私のClaude Codeには、長年の血と汗と涙の結晶であるグローバルメモリファイルがいくつかあり、これらのファイルには基本的にどのプロジェクトディレクトリで作業する時でも共通で利用するような指示が含まれています。CLAUDE.mdにはエントリポイントのmd(LOCALRULES.md)への参照があり、そこからいくつかのメモリファイルを参照している状態です。
この構成を少し変更します。メモリファイルを集約するディレクトリ をツール間で共通利用するため別の任意のディレクトリに配置します。 ~/.claude配下にはcustomrulesへのシンボリックリンクを作成します。
そして、customrulesディレクトリにメモリファイルを移動、CLAUDE.mdのエントリポイントのメモリファイルへのパスを修正します。
同じようにCodex CLI・Gemini CLI向けにもシンボリックリンクを貼り、AGENTS.md・GEMINI.mdを記述します。
とりあえず、以下のように設定を行いました。
このように、共通のディレクトリを参照させることで、どのエージェントを起動しても同じコンテキストを与えることが可能になります。
メモリを読み込みできているか確認
試しにSRGのOrgのとあるrepositoryにあるIssueを読み込んでもらいます。Issue自体はClaude CodeのGithub Issueのリンクが貼ってあるだけです。
Claude Codeのメモリにはgithub issueのURLが貼られていたらgh cliで取得するように指示があります。Codex CLI・Gemini CLIでも、この指示通りに動作すれば良いということです。

左がGemini CLI・右がCodex CLIのターミナルです。
動作しているログを見ると、ghコマンドで確認していることがわかりました。良さそうです。
ちなみに、共通メモリを設定する前は2ツールとも「プライベートリポジトリなので読み込みできませんでした」と回答していました。
これで3つのツール間で共通のグローバルメモリ管理ができそうですね。
Subagent 機能の実装
Claude Code の大きな魅力の一つに、タスクを切り出して別セッションで実行させる subagent 機能があります。この機能により、メインセッションのコンテキストウィンドウを圧迫せずに調査・修正ができます。非常に便利でよく使います。
このSubagentを Codex CLI や Gemini CLI でも再現するために、メインセッションから新しいセッションを起動し、セッション同士でやり取りを行う仕組みを導入しました。
Codex CLI での実装
Codex CLIには起動コマンドにプロンプトを併記して回答を返却してくれるオプションがあります。最近skills機能が追加されたので、これらの実行方法をスキル形式で記述し、なんちゃってSubagentの機能を実現します。
初回実行時には以下のコマンドを使用します。
作業を再開する場合は、初回のレスポンスに含まれるセッション ID をメインセッション側で保持し、以下のコマンドで再開します。
スキル作成には、Anthropicが公開している を利用します。このスキルをガイドラインにしてスキル作成するのが便利です。
Codex CLIでもこのスキルは読み込み可能です。
skill-creatorと壁打ちしながら以下のようにSKILL.mdを作成しました。
SKILL.md
スキルを認識させるために新しくセッションを開始します。セッション再開(resume)ではスキルを認識できず、subagentを 実行することができません。注意が必要です。

プロンプトに “subagent” が含まれているので、subagentのSKILL.mdを確認しているのがわかります。新しいsubagent用のセッション起動時に何やらエラーが出ていますが、いったんおいておきましょう。セッション再開を駆使していい感じに回答してくれてますね。良さそうです。
このsubagent用のセッションは我々人間が直接 を実行して内容を確認・会話の継続ができる点も地味にGoodです。
Gemini CLI での実装
Gemini CLI には skills 機能がないため、グローバルメモリに手順を記述することで対応します。
Gemini CLIでのセッション開始方法は以下の通りです。
再開時は、セッション ID を指定して継続させます。
さきほど作成した、Codex CLIのSKILL.mdをコピーし にリネームして先ほどの共通メモリのディレクトリに配置します。GEMINI.mdにはこのスキルの参照を追加しておきましょう。
また、中身にはCodex CLIのsubagentの実行方法が記述されているので、Gemini CLI向けに修正します。Gemini CLIを起動してセッション開始・再開のコマンドを修正してもらいます。
GEMINI_SUBAGENT.md
Gemini CLIでのsubagentの動作確認です。同じような質問をしてみましょう。


いい感じです。ついでに再開機能も試します。


再開機能も確認できました。
終わりに
Claude Codeの使用感を維持しながら、Codex CLI・Gemini CLIでも作業できる環境が整いました。
複数AIツールの共通化を高めることで、AI との協業をよりストレスのないものにできるでしょう。
SRG では一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味ありましたらぜひこちらからご連絡ください。
