コンテキストは命。MCP 動的インポートする「mcporter」が便利
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本記事は、本記事は、複数のAIエージェントで分散しがちなMCP設定を「mcporter」で一元管理し、ツールごとの設定変更の手間を大幅に削減する方法を解説するものです。です。
MCP 設定を一元管理する「mcporter」
MCP の登場により、AIエージェントと外部ツールの連携は飛躍的に便利になりました。
しかし、Claude Desktop、Cursor、Windsurfなど、複数のAIツールを使い分けている場合、「新しいMCPサーバーを追加するたびに、全てのエージェントの設定ファイルを書き換える」という苦行が発生していませんか。
私は Claude Code から始まり、Codex CLI, Gemini CLI, droid 現在は opencode、など色んな CLI ツールを試しています。
そんなふうに色んな CLI を触っていると、MCP 周りの管理がだるくなります。
今回は、そんな面倒な管理を一元化し、コンテキストを大切にする開発者に使ってほしいツール「mcporter」について検証します。
今の問題① MCP コンテキストデカすぎやろ問題
MCP を利用する際、各エージェントの設定ファイルにすべてのツール情報を記述すると、コンテキストが肥大化してしまいます。
特に、複数のMCPサーバーを登録している場合、設定ファイルだけで数百行に及ぶこともあり、エージェントが処理する情報量が増えて応答速度の低下につながります。
を使えば、各エージェントの設定には「mcporter経由で接続する」という1行の記述だけで済むため、コンテキストを大幅に削減できます。
今の問題② MCP 設定の「分散問題」
現在、多くのコーディングエージェントやAIチャットツールが MCP に対応しています。
しかし、それぞれのツールは独自の設定ファイルを持っています。
例えば、(ローカルファイル操作)や (ウェブ検索)などのMCPサーバーを使いたい場合、通常は以下のように設定する必要があります。
- Claude Desktop: に記述。
- Cursor: Cursorの設定画面または設定ファイルに記述。
- Windsurf: 独自の設定ファイルに記述。 新しい便利なMCPサーバーが登場するたびに、これら全ての設定ファイルを開いてコピペして回るのは、非常に非効率です。また、設定ファイルが肥大化し、管理が煩雑になる原因にもなります。
MCPorter とは
mcporter は、複数のMCPサーバー設定を1箇所()にまとめ、それを「1つのMCPサーバー」として各エージェントに提供するツールです。
主な特徴
- 設定の一元管理: に記述するだけで、連携している全てのエージェントでそのツールが使えるようになります。
- 既存設定のインポート: CursorやClaudeの設定ファイルを自動で読み込む機能もあります。
- コンテキストの削減: 各エージェントの設定ファイルには 1つを記述するだけで済むため、設定ファイル自体が非常にシンプルになります。
技術検証:mcporter の導入と設定
実際に を導入し、共有できるか検証してみます。
1. mcporter の準備
は 経由で実行できるため、事前のインストールは必須ではありません。設定ファイルを作成するだけで使い始められます。
npx のセキュリティについて
昨今のサプライチェーン攻撃により、エンジニアは防御力を高める必要があります。
npx は npm をラッパーしているので ~/.zshrc などで下記を定義し を利用することでリリースされてから2日以内のものはインストールしないようにして利用しています。
ちなみに CLI から Bash 関数は叩けないので、PATH に以下のファイルを通すことで CLI からも叩けるようになります。
まず、ホームディレクトリなどに設定ファイルを作成します。
(デフォルトでは やカレントディレクトリの が読み込まれます)。
例:
この形式は、Claude Desktop の設定ファイル ( ブロック) とほぼ同じです。
ここに、使いたいMCPサーバーを全て記述します。
2. MCP の使い方を伝える
AGENTS.md または CLAUDE.md などに下記の内容を追加します。
mcporter 経由で MCP を使ってみる
ここでは spec-workflow-mcp を使ってみます。
カスタムコマンドでステアリングの作成を呼び出してみると、AGENTS.md で指示した内容で mcporter を利用し、利用可能な MCP サーバーとツールを確認しています。

ツール一覧とその description から を呼び出しています。

導入のメリットまとめ
1. 管理コストの激減
「あのツール、どこで設定したっけ?」という混乱がなくなります。
設定ファイルは1つ。修正も1回で済みます。
2. エージェント設定のクリーン化
各エージェントの設定ファイルは の定義だけで済むため、非常にスッキリします。
これにより設定記述が圧縮され、管理に伴う認知負荷も大幅に低減されます。
3. 柔軟な構成
は既存の Cursor や Claude の設定ファイルをインポートする機能()も持っているため、移行もスムーズです。
4. コンテキストの大幅削減
AGENTS.md/CLAUDE.md に mcporter の使い方を書くだけで、最初のセッションが占める MCP 関連のトークン数がゼロになります。
これにより、AIエージェントがプロンプトを解釈する際のコンテキスト消費が抑えられ、より多くの実行コンテキストを本来のタスクに割り当てられるようになります。

まとめ
几帳面な人は全ての設定ファイルを完璧に同期できるかもしれませんが、多くの開発者にとってそれは苦痛です。
は、そんな「設定疲れ」から解放してくれる特効薬と言えます。
そしてコンテキストの動的利用により、コンテキストの削減も行えます。
複数のAIエージェントを併用している方は、ぜひ一度 で設定の一元化を試してみてください。
一度設定してしまえば、あとは快適なMCPライフが待っています。
SRG では一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味ありましたらぜひこちらからご連絡ください。
