ついにAurora MySQL v3(MySQL8.0互換)で2つ目のLTSがリリース!- Aurora MySQL 3.10 -

メディア統括本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の鬼海 雄太(@fat47)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
本記事は、Aurora MySQL バージョン3の2つ目のLTSリリースについてまとめています。
なにかの役に立てば幸いです。
 

v3で2つ目となるLTSリリース


2025年8月18日(US時間)、Amazon Aurora MySQL v3 (MySQL 8.0互換) のLTS(Long Term Support)バージョン3.10がリリースされました。
LTSは、長期間にわたって安定したサポートが提供されるバージョンであり、特に本番環境など安定性を重視するシステムにとって重要な選択肢となります。
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Starting today, long-term support (LTS) will also be provided on Aurora MySQL 3.10 (compatible with MySQL 8.0.42) minor version. Database clusters that use LTS releases can stay on the same minor version for at least three years or until end of standard support for the major version, whichever is sooner. During the lifetime of an Aurora MySQL LTS release, new patches introduce fixes for select high severity security and operational issues. These patches don't include any new features. For more details about Aurora MySQL 3.10, refer to the Aurora MySQL 3.10 launch announcement and release notes. This is the second minor version designated as LTS on Aurora MySQL-Compatible Edition 3 in addition to Aurora MySQL 3.04 (compatible with MySQL 8.0.26) minor version. This LTS version does not change the end of life schedules for other LTS versions or engine major versions. For more details about LTS and how to stay on the LTS minor version, refer to LTS documentation. This LTS release is available in all AWS regions where Aurora MySQL is available. Amazon Aurora is designed for unparalleled high performance and availability at global scale with full MySQL and PostgreSQL compatibility. It provides built-in security, continuous backups, serverless compute, up to 15 read replicas, automated multi-Region replication, and integrations with other AWS services. To get started with Amazon Aurora, take a look at our getting started page.
 
v3.10(MySQL 8.0.42互換)自体は2025年7月30日にリリースされていましたが、当初はLTSではなく、通常の1年間のサポート期間でした。
 
今回のLTSリリースとなったAurora MySQL 3.10の標準サポート期間は2028年4月30日まで提供される予定であり、長期的な視点でのシステム運用計画が立てやすくなります。
 

前LTS(v3.04)からの大きな進化点はRDS Data API対応


以前のLTSであるから最も大きな変更点の一つは、RDS Data APIが利用可能になったことです。
この機能はで追加されたものですが、今回のLTSリリースにより、安定性を重視するユーザーも安心して利用できるようになりました。
RDS Data APIは、HTTPSエンドポイントを通じてデータベースを操作できるウェブサービスインターフェースです。これにより、AWS Lambdaなどのサーバーレスアプリケーションから、永続的なデータベース接続を管理することなく、安全にSQLを実行できます。
IAMロールと連携したセキュアなアクセス制御や、接続プーリングの簡素化といったメリットがあります。
 
またAurora MCP Serverのような便利なツールが利用できるようになります。このツールは内部でRDS Data APIを使用しているため、前LTSであるv3.04で利用することができませんでした。
Aurora MCP Serverは、自然言語での問い合わせをSQLに変換して実行するなど、データベース開発を効率化するツール群です。
Aurora MCP Serverについては、過去にブログ記事を書いていますのでそちらをご参照ください。
 

前LTS(v3.04)から新LTS(v3.10)の間の主要なアップデート


主要な機能追加・改善を抜粋しました。詳細は各アップデートのリリースノートをご確認ください。(MySQL互換バージョンのアップによって追加された機能も含みます)
特にv3.08以降対応の新機能が多かったので、早めにアップデートしたいです。
バージョンリリース日アップデートRelease note
3.05(8.0.32互換)2023/10- Instant DDL による列削除操作のサポート - データベースの再起動時間を最大65%短縮する最適化Link
3.06(8.0.34互換)2024/03- Amazon BedrockのファウンデーションモデルをAurora MySQLからSQLで直接呼び出し可能 - バイナリログレプリケーションのパフォーマンスの向上Link
3.07(8.0.36互換)2024/06- RDS Data API対応Link
3.08(8.0.39互換)2024/11- メモリ関連のCloudWatchメトリクスの追加 - 低速なSELECT COUNTの改善 - r8g(Graviton4)インスタンスの対応 - Aurora Serverless v2のゼロキャパシティスケール対応Link
3.09(8.0.40互換)2025/05- I/O Optimizedで実行されている 32xl 以上のインスタンスの書き込みスループット向上 - 大規模テーブル環境での可用性改善やInnoDBのログ・インデックス処理問題の修正Link
3.10(8.0.42互換)2025/07- 最大ストレージ容量が128TiB → 256TiBに拡張 - In-Memory relay logによるバイナリログレプリケーションのパフォーマンス向上Link

まとめ


今回リリースされたAurora MySQL 3.10は、長期的な安定運用を可能にするLTSであることに加え、複数の機能追加や改善が含まれています。
現在Aurora MySQL v2 (MySQL 5.7互換) を利用している環境や、前LTSの3.04を利用している環境では、この新しいLTSへのアップデートを計画してみてはいかがでしょうか。
詳細な変更点については、公式のリリースノートをご確認ください。
 
 

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