RDS Performance Insightsが2025年11月30日にサポート終了!?ですが無料ユーザーでも焦る必要はなさそう

メディア統括本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の鬼海雄太(@fat47)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
本記事は、RDS Performance Insightsを無料版で使っていた人が、 CloudWatch Database Insightsのスタンダード(無料版)に移行しても違和感なく利用できるという事をまとめた記事になります。
なにかの役に立てば幸いです。
 

先に結論


💡
Aurora MySQL環境においてPerformance Insightsの無料範囲でつかっていた人も、CloudWatch Database Insightsの無料範囲(Standard)に移行すればほとんど困ることは無さそう。

RDS Performance Insightsのサポート終了


クラスメソッド様のこちらの記事を見てサポート終了を知りました。
記事によると、RDS と Aurora のドキュメントで Performance Insights が 2025 年 11 月 30 日にサポート終了すると記載されているようです。
 
私はRDS Performance Insightsの無料の範囲である7日分のデータ履歴保存で利用していましたので、少し今後のことについて調べてみました。

移行先のCloudWatch Database Insightsについて


昨年12月に発表されたCloudWatchのデータベース統合モニタリング機能です。
 
これを有効にするには、RDS,Auroraクラスタ単位で有効にする必要がありますが、ほとんどの場合で既存のクラスタ環境でも「Standard」で有効化されているかと思います。
リリース当初はAuroraしか対応していませんでしたが、今年の2月にRDSの各エンジンにも対応しています。
 
Standardの場合、7日間のデータ保持が無料で一部機能を利用することができます。
Advancedの場合は、Standardの機能に加えてより詳細な分析機能が利用できたり、
最低でも15ヶ月のデータ保持が可能です。
 

CloudWatch Database InsightsのAdvancedの料金

料金はこちらから確認ができます。
東京リージョンの価格を引用すると以下のとおりです。
データベースインスタンスの設定タイプコスト (vCPU/ACU-時間あたり、インスタンスごと)
モニタリング対象のプロビジョンドインスタンス (vCPU-時間) – RDS および Aurora データベースUSD 0.0125
モニタリング対象の Aurora Serverless v2 インスタンス (ACU-時間)USD 0.003125
 
仮に、Advancedで合計16vCPUのプロビジョンドインスタンスのクラスタを利用していた場合、1ヶ月の料金は$144となる見込みです。

結局、Performance Insightsの無料範囲でつかっていた私は困るのか?


Performance Insightsの無料の範囲でAurora MySQL環境の分析に使っていました。
これは従来のPerformance Insightsの画面です。
 
個人的にPerformance Insightsでよく使っている調査機能は以下の3つです。
  1. 平均アクティブセッション(AAS)の確認
  1. トップSQLやトップ待機のディメンションごとの確認
  1. AASが高いクエリを確認し、何の処理で時間かかっているか確認
 
このあたりの調査の話は今年の新卒研修でも取り上げているのでぜひ御覧ください。
 
それぞれの機能を確認していきます。
これがCloudWatch Database Insightsのインスタンスごとの画面です。
ほとんどPerformance Insightと変わらないですが、それぞれ見ていきます。
 

1. 平均アクティブセッション(AAS)の確認

 

2. トップSQLやトップ待機のディメンションごとの確認

3. AASが高いクエリを確認し、何の処理で時間かかっているか確認

特定のクエリをクリックすると、何の処理で待機が起きているか確認できます。
 
以上のことから、私が普段利用している範囲ではCloudWatch Database Insightsに移行しても困ることはなさそうだということがわかりました。
ただし、RDSのOracle DatabaseやSQL Serverを利用していた人の場合のみ、実行計画の確認がPerformance Insight上からできましたが、CloudWatch Database InsightsではAdvancedにしないと確認できなくなるため注意が必要そうです。

終わりに


Performance Insightsのサポート終了と聞いて焦りましたが、CloudWatch Database Insightsに移行しても影響なさそうで一安心しました。
一点注意すべきことは、稼働中のクラスタがCloudWatch Database InsightsのStandardで有効化されているかを確認したほうが良さそうです。
既存のクラスタでインスタンスごとにPerformance Insightsの有効無効設定が揃っていないと、CloudWatch Database Insightsが自動で有効になっていないパターンが確認されました。
 
SRG では一緒に働く仲間を募集しています。 ご興味ありましたらぜひこちらからご連絡ください。