Aurora Blue/Greenデプロイメント機能でbinlog_format以外のパラメータも必須化されている事象について
メディア統括本部 サービスリライアビリティグループ(SRG)の鬼海雄太(@fat47)です。
#SRG(Service Reliability Group)は、主に弊社メディアサービスのインフラ周りを横断的にサポートしており、既存サービスの改善や新規立ち上げ、OSS貢献などを行っているグループです。
はじめに
Amazon Aurora Blue/Greenデプロイメントは、本番環境に影響を与えることなくデータベースの変更(バージョンアップグレードやスキーマ変更など)を安全にテストし、最小限のダウンタイムで本番環境へ反映させることができる便利な機能です。
従来、このBlue/Greenデプロイメントを作成する際の主な前提条件として、ソースとなるAuroraクラスターのパラメータグループで パラメータを有効化する必要がありました。(推奨値は )
しかし、2025年4月現在、これに加えて他のパラメータ設定も必須となっている事象が確認されています。
発生している事象
現在、Aurora MySQL互換エディションでBlue/Greenデプロイメントを作成しようとすると、従来の の有効化に加えて、以下のパラメータが に設定されていることが求められるようになっています。
これらのパラメータが適切に設定されていない場合、Blue/Greenデプロイメントの作成時に下記のようなエラーが表示されます。

これらの表示は日本語UIにしていてもエラー文は英語で表示されています。
チェックボックスにチェックを入れて「次へ」を選択すると、前述の2つのパラメータをBlueクラスタで有効にするという表示がされます。

現在の状況
公式ユーザーガイドにも案内はない
現時点(2025年4月)で確認できるAWSの公式ユーザーガイドでは、Aurora MySQLにおけるBlue/Greenデプロイメントの準備として、依然として の有効化のみが記載されており、 や に関する記述は見当たりません。
サポート問い合わせ済み
サポートケースを起票しており、現在調査を継続してもらっている状態です
対応策
Blueクラスタのパラメータで2つの追加パラメータを有効化するパターン
従来の に加えて、クラスターパラメータグループで と を に設定します。
ただしこれらのパラメータは動的ではないため、変更を適用するにはクラスターの再起動が必要になる点にご注意ください。
AWS CLIからB/Gを作成するパターン
現時点では、CLIからB/Gを作成する場合は、この2つのパラメータを有効化しなくてもB/Gは作成できる状態となっています。
下記のコマンドで、Blueと同じパラメータグループが選択された状態でGreenクラスタが作成されます。
終わりに
現在のAurora Blue/Greenはドキュメントに記載のない挙動をしているのでご注意ください。
サポートから調査の対応状況の返信があり次第、こちらの記事を更新していきます。
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